Watchdogタイマとして動かすためにsysmonフレームワークから呼び出される関数は、
- int glxpcib_wdog_setmode(struct sysmon_wdog *smw);
- int glxpcib_wdog_tickle(struct sysmon_wdog *smw);
/*
* sysmon_wdog_ktickle:
*
* Kernel watchdog tickle routine.
*/
void
sysmon_wdog_ktickle(void *arg)
{
[中略]
callout_reset(&sysmon_wdog_callout,
WDOG_PERIOD_TO_TICKS(smw->smw_period) / 2,
sysmon_wdog_ktickle, NULL);
}
mutex_exit(&sysmon_wdog_mtx);
}
と書いてあって、基本的には(カーネルモードのwatchdogの場合は)設定した時間の半分の周期でタイマを更新することになっていた。
今回はこれらの2つの関数を書くにあたって、共通的な要素を行う基本関数として
- glxpcib_wdog_disable()
- glxpcib_wdog_enable()
- glxpcib_wdog_reset()
- glxpcib_wdog_setmode()はdisable(), enable(),reset()の組み合わせとタイマ値の設定
- glxpcib_wdog_tickle()はreset()を呼び出す
int
glxpcib_wdog_setmode(struct sysmon_wdog *smw)
{
struct glxpcib_softc *sc = smw->smw_cookie;
if ((smw->smw_mode & WDOG_MODE_MASK) == WDOG_MODE_DISARMED) {
mutex_enter(&sc->sc_mtx);
glxpcib_wdog_disable(sc);
mutex_exit(&sc->sc_mtx);
return 0;
}
if (smw->smw_period == WDOG_PERIOD_DEFAULT)
smw->smw_period = 32;
else if (smw->smw_period > 0xffff) /* too big */
return EINVAL;
mutex_enter(&sc->sc_mtx);
glxpcib_wdog_enable(sc);
glxpcib_wdog_reset(sc);
mutex_exit(&sc->sc_mtx);
return 0;
}
ここまでで、デバイスドライバ部分は全部できあがったのだが、ここではたと気がついたことがある。「これってどうやって正しく動いていることを検証すればいいんだろうか?」と。
Watchdogタイマはシステムが動かなかったときにリセットするために使われるわけだが、任意にシステムを止めたりする方法はあまりしらない(別のHWのデバイスドライバをごにょごにょすればできないこともないがめんどくさい)。しょうがないから、
- printfをいれて関数の呼び出し状態をみてみる
- ユーザランドで指定した値と独立してある特定の時間(10秒)までカウントが進めばリセットするカーネルを作ってみる
というわけで、CS5536のMFGPTをつかってWatchdogタイマを動かすデバイスドライバは書けて、正しく動いているっぽいことが分かった。最後に、NetBSDでWatchdogタイマを使うように設定する方法を書いておく。
使うコマンドは、
- wdogctl
# wdogctl
Available watchdog timers:
cs5536wdt, 32 second period
# wdogctl -k -p 10 cs5536wdt
# wdogctl
Available watchdog timers:
cs5536wdt, 10 second period [armed, kernel tickle]
# wdogctl -d
# wdogctl
Available watchdog timers:
cs5536wdt, 10 second period
のように使う。引数なしでwdogctlを呼ぶと使えるタイマの名前とwatchdogが起動する長さが表示される。2行目は10秒でwatchdogがかかるようにkernelがタイマを更新するモードでcs5536wdt(今回つくったタイマ)を用いてwatchdogを実行するように指示する。もう一度引数なしwdogctlを呼ぶと、設定が反映されて動いていることがわかる。
途中でwatchdogタイマを止めたいときは-dオプションをつけてwdogctlを実行すればよい。
もし、起動時に設定したい場合は/etc/rc.confにwdogctl=YES wdogctl_flags="-k -p 10 cs5536wdt"などとと書いておけば動く。wdogctl_flagsの中身はwdogctlに渡す引数と同じでよい。
というわけで、PC EnginesのALIXボードが届いてから、2日ほど楽しくカーネル遊びをする時間をとれた。いままでGPIOとかWatchdogとかを使ったことがなかったが、動くようにするために結構深い理解ができたような気がする。でも、次にこの知識が役にたつのはいつだろう(とちょっとだけ不安)。
さて、次は一番ほしい機能であるI2Cバスのサポートに手をつけたいなーと思っている。
が、まだ何もやっていないので本当にできるのか?いつになるかは?は不明。とりあえずこの3連休は手元にI2Cデバイスもロジックアナライザもないので難しそうだ。
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