2008年6月25日水曜日

gainer clone で「かざぐるま」あるいは PWMによるモーターの駆動

Gainerは設定にもよるが 4ないし8本のアナログ出力(PWM)を使うことが出来る。前に作成した power gainer は電源にもよるがトランジスタアレイにより小型のモータを回転させるには十分な電力を供給することができる。そこで、前からやってみたかったアンビエントディスプレイである「かざぐるま」を作ってみた。

これは MITのメディアラボで行われているタンジブルコンピューティングの象徴的なアンビエントデバイスの一つである。(詳しくは Media LabのTangible Media Group を参照。) 

使ったのは前に作成したTD62083をワンボードに組み込んだGainer(Power gainer)とタミヤのプーリー基本キットである。これらをささえる土台となっているのは、100円ショップで買ってきたアクリルのメニュー立てだ。プラスチックのプーリーをゴムベルト(ゴムバンド)で回転させるプーリーキットは回転時に音がほとんどしないので、ギアボックスと違い常時動かしておくアンビエントディスプレイに適している。これに、ケント紙で作った風車を両面テープで貼付けてハードウェアのほうは完成である。



gainerのconfiguration3ならばPWM出力が8ch仕様ということで作成した風車のセットを同時に8つコントロールできるが、今回はサンプルということもあり1つの風車だけで満足しておくこととする。8ch同時で動かすにはUSBに寄生するだけではなくターゲットボードにACアダプタ等の外部電源が必要だろう。

このgainerをコントロールするプログラムはまず、テスト用ということで簡単なものを用意した。マウスカーソルを動かすとそれに従ってアナログ値が変化するものだ。これで、ウインドウ上をマウスを左右に動かすだけで回転を変化させることが出来るので動作確認には十分だろう。このプログラムはPWMで動かすデバイスの試験にいつも使っているものでもある。




以上のように風車は簡単に動くところまではきたのだが、ひとつ大きな問題が残ってしまった。ほとんど動いていないときもピーピーとモーターから音がする。これは Gainerの PWMの周波数が1KHzであるため、 1KHz周期でモータが振動してしまっている音であり、PWMでモータを動かす場合に起きる現象だ。このノイズを解決するためにはモータを駆動するPWMの周期を25KHz以上に上げる方法がよく使われる。こうなると、モーターの振動音が超音波の領域に入るため人間には聞こえなくなるのである。もちろんノイズがなくなるわけではないので、コウモリやイルカには迷惑なのかもしれないが、そこは気にしないことにして、ファームウェアを改造しPWMの周波数を上げる対策をとることとした。

(つづく)

PWMテスターのソースコードは以下のとおり。

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import processing.gainer.*;

Gainer gainer ;


void setup() {
size(500,100) ;
gainer = new Gainer(this) ;
}

void draw() {
int i ;
background(mouseX/4) ;

for ( i = 0; i<500;i+=100) {
stroke(255,0,0) ;
line(i ,0,i,100) ;
}

gainer.analogOutput(1,mouseX/2) ;
stroke(0,0,255);
line(mouseX,0,mouseX,100) ;
println("NOW: " + mouseX/2 + "*" ) ;
}
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2008年6月24日火曜日

Processingでtwitterと http認証 (basic auth)

Processingをつかって、httpをしゃべらせることは難しくはない。ただ通信してページを取ってくるだけならば、loadStrings() の引数にURLを指定してやれば、自動的にJavaのURLクラスを使ってStringsの配列として格納できる。これをつかって、twitterのデータを読み込もうとおもったのだが、twitterではbasic authを使わなければ自分のfriends timelineを取り出すことが出来ない。そこで basic authを processingでやってる例をさがしたのだが、発見できなかったので生のjavaでのbasic authの方法をそのまま取り込んで実現してみた。

さまざまなページによると javaでのhttp認証では java.net.authenticator とjava.net.PasswordAuthentication の2つのクラスを使い、Authenticator クラスを継承した認証クラスを作ってハンドラを設定する、というのが正解らしい。つまり、以下のようなコードとなるわけだ。



import java.net.Authenticator;
import java.net.PasswordAuthentication;

//public
class BasicAuth extends java.net.Authenticator{
private String user;
private String pass;
public BasicAuth(String user, String pass)
{
this.user = user;
this.pass = pass;
}

protected PasswordAuthentication getPasswordAuthentication()
{
return new PasswordAuthentication(user,pass.toCharArray());
}
}




このクラスの利用方法は、user名とpasswordを設定して作成したクラスのインスタンスを生成し、そのあとで、Authenticator の setDefaultを呼び出す。前処理としてこの作業を行うと以降の http通信で認証が必要とされる場合には設定した情報をベースに自動的に認証が行われる。これをそのまま、processingに追加して使った。Processingは基本的にjavaそのものなので、このような場合の拡張は非常に簡単ですばらしい。
本当はpackage化してライブラリとするといいのだろうがそれはまた今後の課題ということにしておこう。

さて、現実にtwitterの出力するXMLの解析には、simlpeMLというライブラリを使うことにした。simpleMLはdaniel shiffman(http://www.shiffman.net/) の開発したライブラリであり彼のページからダウンロードできる。loadStrings()を使うよりもよい点は、後で XMLライブラリを使ってエレメントを取り出すよりも簡単なことと thread をつかって非同期にhttpリクエストを発生させて、ページを取得できたときにイベントを発生させることが出来る点である。とくに後者は、一定時間ごとにページを取得して書き換えるような動作を行いたい場合には、非常に有効であろう。

timelineの twitterAPI呼び出しを行うにはBasic認証付きでAPIで定められたURLを呼びだせばよい。受信形式はいろいろ見比べた結果、後処理がもっともやりやすそうなRSS形式を指定した。これらをまとめるとコードは以下のようになる。あとは、数分おきにreloadをするとか、スクロールするとかのフィーチャーを盛り込めば、twitter viewerとしての機能は十分だろう。
ちなみに書き込みは post method が必要なのだが、こちらも processingで使えるモジュールはなさそうなのとすこし複雑な処理が必要そうなのでもう一工夫必要なようなので今後の課題としておこう。
動作させるためには、フォントを作成する必要がある。Processingのメニューから Tools-->Create Fontを選択すると次のような画面が出るので Osakaフォントの16pointを指定する。日本語表示には日本語のフォントも必要なので All Fontのチェックボックスにもチェックをいれておく必要があるだろう。こうやってフォントを作成した後、コードの中の user と pass を自分のものに入れ替えれば動作させてみることができる。



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import simpleML.*;

import java.net.Authenticator;
import java.net.PasswordAuthentication;

// configration
String user = "uname" ;
String pass = "xxxxx" ;

// request url
String url = "http://twitter.com/statuses/friends_timeline.rss" ;

//public
class BasicAuth extends java.net.Authenticator{
private String user;
private String pass;
public BasicAuth(String user, String pass)
{
this.user = user;
this.pass = pass;
}

protected PasswordAuthentication getPasswordAuthentication()
{
return new PasswordAuthentication(user,pass.toCharArray());
}

}


XMLRequest xmlRequest;

void setup() {
size(screen.width/2,screen.height/2);


BasicAuth tw_authenticator = new BasicAuth(user, pass);
Authenticator.setDefault(tw_authenticator);

// Creating and starting the request

xmlRequest = new XMLRequest(this,url);
xmlRequest.makeRequest();
}

void draw() {
// background(frameCount % 255);

}

// When the request is complete
void netEvent(XMLRequest ml) {

PFont fontA = loadFont("Osaka-16.vlw");
textFont(fontA, 16);

// Retrieving an array of all XML elements inside "" tags
String[] titles = ml.getElementArray("title");

for (int i = 0; i < titles.length ; i++) {
println(titles[i].replaceAll("\n",""));
fill(10*i,0,0) ;
text( titles[i].replaceAll("\n",""),5,18*(i+1)) ;
}

}

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ここまで。