前回のあらすじ
Gainerモジュールにトランジスタアレイでかざぐるまを駆動することに成功したCUE。
しかし、そのモーターからは脳を直撃する怪音が無限に鳴り響く!
すこし時間があいてしまったが、前回の最後で述べたとおり、怪音をなくすためにはPWMの周波数を変更するのがもっとも一般的かつ効果的な手法である。しかしながらgainerの配布されているファームウェアでは、PGAのゲインはコマンドで変更できてもPWMの周波数は変更できない。ということで、「Gainerのファームウェアを改造してノイズが出ないモータを実現するぞ」プロジェクトを決行した。
当方ではファームウェアの不具合について感知しないのはもちろん、ファームウェアの焼き込みサービスも行ってないのであしからず。秋月電子などから PSOC miniProg を手に入れて各自で焼き込んでもらいたい。どのように作業したかは以下のとおりである。
1. ファームウェアの入手
firmware はgainer.cc のページからダウンロードできる。以下のページからファームウェアのソースファイルをダウンロードする。ダウンロードできたらこれを unzipして展開しておく。
2. ファームウェアの展開
ファームウェアはzipなので適当なツールを使って展開する。このとき置き場所は日本語の入っていないディレクトリでなければ、PSoCデザイナでmakeするときに不具合がでることがあるので注意したほうがよい。僕は C:\ に直接展開したフォルダをそのまま移動した。
3. 設定画面をながめる
書き換えポイントを探るためにコンフィグとソースをよく見て考える。
config_a にPWMモジュールが8つ発見できたので、これが出力用のPWMに違いないとあたりをつける。そのときに、PWMのクロックをどこからもらってるかを配線からながめると16ビットのカウンタを使ってブロードキャストバスに信号を流し込み、そのバスの信号をクロックとして使っているということがわかった。
その後で、ソースコードをかるく読んでみるとまさしく config-a の PWMモジュールの山がそのままPWMとして出力されることがわかる。これでconfig-a のPWMモジュールのクロックを書き換えるという方針が決定した。
4. 使えそうなクロックを探す
使えそうな clockとして Gainerの生の設定でPSoCモジュールが供給しているのは、24MHzの生クロックのほかこれを分周して作っている VC1,2,3 のそれぞれさらに専用のcounterにより作りだされているもともとのPWMの信号がある。それぞれのクロックはどれくらいの周期かというとPWMでは 256クロックで1周期ということなのでCPUCLK 24MHz が およそ 100KHzとなるがこれはすこし早すぎるようだ。
VC1は 24/3 = 8MHz VC2は 8/4 = 2MHz であり、これをさらに 1/256したものが周波数になる。よって VC1でおよそ 32KHz VC2では 8KHz となる。超音波領域に突入することが目標なので、 VC1のほうを採用することとした。
これをそのまま PWMのクロックに入れればいいのだが8つある設定を書き換えるのは大変なので大本となっている PWM用のカウンタであるCounter16に入力することにした。
このままでは counter16のソースが 8MHzとなったはいいがカウンタをつかってさらにスピードを落としているので、それをカウントしている部分を探すこれはソースコードのほうで発見した。
クロックの比は 1:1 なので226行目(あたり)のところの Counter16_A_PWMClk_WritePeriod(0); を 0に書き換える。これで毎回カウントアップのたびにCounterがあふれているはずだ。
実際のところcounter16など使わなくても、直接配線をVC1に変更しまくればそれでもOKなのだが、その場合には書き換えるポイントが8つになってしまうので、間違い等があると大変である。そこで今回はCounterはそのまま使って、そのカウンタの周期を修正したのである。修正ポイントのコードは以下のとおりである。
--ここから
// start analog outputs
// Counter16_A_PWMClk_WritePeriod(157); // 50Hz (i.e. 20ms)
Counter16_A_PWMClk_WritePeriod(0); // 10KHz (i.e. 1ms)
Counter16_A_PWMClk_WriteCompareValue(0);
Counter16_A_PWMClk_Start();
--ここまで
この2つをやってからbuild を行う。今回はHitechC のフリー版つかってmakeを行った。Gainer自体はもともとimage-craftのコンパイラで作られていたはずだが、何の問題もなくコンパイルもおわったのでこれを miniprogを使って書き込んで完成である。
これで動作させればPWMでモータを駆動させても音がならないGainerが完成である。モータが動かなくなるくらい低いPWM値の場合にモータからの異音がしなくなるのがわかるはずだ。
改変した後のHEXファイルはこちらにおいておく。そのままmini-progで焼き込めば動くはずだ。
2008年7月8日火曜日
gainer clone で「かざぐるま」あるいは PWMによるモーターの駆動 (2)
投稿者 CUEICHI 時刻: 1:00
ラベル: gainer, Processing, PSoC
登録:
コメントの投稿 (Atom)
5 件のコメント:
はじめまして。
PWMによるモータ駆動時の異音に悩まされており、そこでこのブログにたどりつきました。
改編後のHEXファイルのリンクが切れているようなので、もう一度上げてもらえませんか?
よろしくお願い致します。
リンク修正しました。
取れると思いますので宜しくお願いします。
返事遅くなりました。
バッチリ取れました!
この度はお忙しい中、誠にありがとうございました。
こんにちは
PSoCの勉強中です、
記事内容から、プロジェクトの書き換えをしました。
config_a.c -227行に
「Counter16_A_PWMClk_WritePeriod(0); // 10KHz (i.e. 1ms)」を加えるだけと読めたのですがそれであって居ますでしょうか?
「Counter16_A_PWMClk_WritePeriod」に該当する字句は全部で5になりました。
ブログ管理者様
ここでnonnoという名で発言している人物は他所ではnekonokoとか猫翁とも名乗っている、過去~現在に
至るまで数々の掲示板やブログを荒らし続けている極めて悪質な人物です。
ttp://mimizun.com/log/2ch/denki/1284513788/
過去に有名どころの電子工作系の掲示板を
荒らして追い出された後、事情をあまり知らない人を獲物として
探し回っています。
くれぐれも相手にされないようよろしくお願いします。
コメントを投稿